文化祭で
タップを踊ろう! 

よく高校生から「文化祭でタップダンスをやりたいのですが、どうすればいいですか?」
というメールもらいます。高校の文化祭でタップを踊れたら、それは楽しい思い出に
なるでしょうね!文化祭でタップダンスを踊るには、どうすればいいか?私なりに考えた
ことを、ここに書いておこうと思いますので、今後の参考にしてください。

タップダンスに必要なもの

まずタップシューズと床に敷くコンパネ(厚手のベニア板)が必要になります。

タップシューズ

タップシューズは1足\20000~\30000くらいします。探せば、たまに半端品などが\10000
以下で見つかることもあります。タップシューズの底にはタップチップという金属板がついて
いますが、このタップチップだけ購入して普通の靴につける方法もあります。タップチップ
は数千円で売ってます。ただし、この方法だと正規のタップシューズほどクリアなタップ音は
出ませんし、また踊っている最中にタップチップが外れてしまうこともよくあります。

タップシューズを売ってるお店
BASEMENT http://www.basement-tokyo.com/k360/
大木シューズ http://www.danceshoes.jp/
パピヨン http://www.papillon.co.jp/

コンパネ

タップシューズでクリア音を出すためには舞台上に板を敷かなくてはなりません。
(床に傷がつくのを防ぐこともできます。)AB-TAP'Sの公演では舞台上に厚さ12ミリ
くらいのコンパネと呼ばれる建材を敷いて、さらに舞台の前面にタップ音を拾うための
マイクを3つくらい設置しています。プロのタップダンサー達は、もっと厚い板を使用
しているようです。本格的なタップの舞台では、板の下に角材を組んで空洞を作り、
タップ音の反響をよくしたり、その空洞にマイクを仕込んだりと、いろいろな工夫を
こらしています。


AB-TAP'Sの公演で使っているのと同じ厚さのコンパネ

練習のときは下記の写真のような普通の薄いベニア板を使用しています。この大きさだと
50枚くらいを車のトランクに収納して運ぶこともできます。6年前に初めて舞台を作ったとき
は、本番でも、このベニア板を使いましたが、やはりタップ音という部分で、あまり評判は
よくなかったですね。


練習のときは普通のベニア板を敷いてます。

タップシューズを使わないで踊る方法も

よくミュージカルなどで普通の靴でタップダンスを踊るシーンを見ることがあります。
高校の文化祭でやるなら、普通の靴でも充分かもしれませんね。その場合は、床に板を
敷く必要もないと思います。低予算でやるには、この方法でしょうか。ただ革靴でタップを
踊ると、床が真っ黒になることがありますので気をつけましょう(笑)。

タップのステップを覚える

タップは基本ステップだけでも、ちゃんと音が出るようになるには、かなりの練習が
必要になります。文化祭のように舞台で人に見せるようにするためには、プロのタップ
ダンサーの指導がなければ、まず無理と言えるでしょう。プロの指導を受けるため
には、当然、レッスン料が必要となります。どの程度の予算になるかは、ダンサーのキャリア
や考え方などによっても違うので、直接、交渉してもらうしかありません。交渉する際には、
文化祭という短期間で仕上げる特殊なレッスンとなるので、自分の状況を詳しく
伝えることが必要になります。どれくらいの練習時間が取れるのか?いつまでに何曲
仕上げればいいのか?・・・など最初に綿密に打ち合わせしなくてはなりません。
またプロの指導を受けるからには遊び半分ではいけません。タップダンスに自分の
すべてを賭けて取り組んでいるダンサー達ですから、レッスンを受ける側も真剣な態度
で学ばなければなりません。

どれくらい練習すればいいのか?

これもなんとも言えません。タップは基本ステップだけでも本当に極めようと思ったら、
それだけでライフワークになってしまうかもしれません。とりあえず「やる」と決めた日
から毎日、練習するくらいの気持ちでいなくてはならないと思います。プロの先生の指導
がない日でも自習を毎日継続する決意でやりましょう。(でも高校生だから勉強も大事
ですよね・・・笑)

参考に私が初めてタップを始めるきっかけとなる講座のことをお話します。それは
東京都武蔵野青年の家主催の「タップダンスを始めよう!エンターテイメント入門講座」
というイベントです。この講座では40人のタップダンス初心者が月に1回合宿をしながら
レッスンを重ね、半年後に公演をするという企画でした。合宿は月1回ですが、公演が
迫ってくると、グループごとに集まって、かなりの回数の自主練を重ねました。公演は
大成功に終わりましたが、もちろんプロのタップダンサーが精力的に指導をしてくれた
おかげでした。自分達だけでは絶対に実現できないことです。

タップダンスっぽく踊ってみるなんて、どう?

あるタップダンスの先生が、次のようなことを言っていたのを聞いたことがあります。
「最初はステップなんてなかったんだよ。もちろんタップシューズなんてモノもなかった。
ただ楽しくて、足を踏み鳴らして踊っているうちに、それがだんだんとタップダンスに
発展していったんだよ」と。高校生の文化祭ですから、タップの技術云々というより、
このようなダンスの原点に帰ってパフォーマンスしてみるのもいいのではないでしょうか?
簡単なリズムでも大人数で足踏みして音を出すと、かなりの迫力になります。
タップの技術を学ばなくても、足踏みなら誰でもできます。音楽に合わせて足踏みしたり、
あるいはストリートダンスっぽい振付をつけて足踏みしてみたり、高校生の自由な発想で
パフォーマンスを考えては、どうでしょうか?みんなで話し合えば、いろんな面白い
アイデアが出ると思いますよ。


「タップ&ストンプ」の土井一恭さんからメッセージをいただきました!

「タップ&ストンプ」は広島を拠点に、全国の文化祭・学園祭などで「タップ&ストンプ」の指導を
行っているパフォーマンスグループです。代表の土井一恭さんにお話をお伺いしました。
今、話題になっている座頭市のタップについても聞いてみましたよー。
【座頭市の下駄タップについて】

座頭市の下駄タップそのまんまは、ちょっと初心者にはムリですよ。
プロのタップダンサーのテクニックは1・2ケ月の練習では身につきません。

しかし、ですね。

・個人の超絶テクニックに固執せず、
少し柔軟に考えてはどうでしょうか。
1クラス全員(集団)でのスーパータップサウンドを目指すなら、
魅力的なタップを披露することは可能です。
やりがいも十分感じることができます。

・1クラス30~40人という豊富な人数がいれば、
工夫の余地はありますよ。
例えば、その中の1つに、
1クラス全員が同時にスタンプ(タップのステップの1つ)する音があります。
この音は、最高のタップダンサーでも1人では絶対出せない
重厚でボリュームのある音です。
また、1クラスを3~6つのパートに分けて、
それぞれが異なる基本のリズムをいくつかマスターし、
音を重ね合わせる、つまりアンサンブルにする。
そして、生徒の皆さんがいろいろアイデアを出し合いながら、
これらの音を自由に組み合わせていくと
おのずと曲にオリジナリティーが出てきます。
多少、レベルは低くても
オリジナルなものをつくるということは、
超絶テクニックをマネすることより、
もしかしたら、価値があることかもしれません。

・それから、本物のタップシューズが買えないからといって、
タップ未経験者がタップシューズをつくるなどという無謀な考えは捨てましょう。
時間のムダだし、危険です。
今、あなたが持っている体育館シューズ(ローファー等もOK)でも、
ナチュラルで良いタップサウンドは生まれます。


【私の本音】

5・6年前から始めた学校での指導は、
現在、年間50校ほどになりました。
しかし、私が指導する生徒達は、
スタンダードなタップのスタイルを学ぶことよりも、
短期間での完成度を求めます。
結果として、私が高校生に○○タップだと言って教えるタップは、
タップシューズをはいて踊るタップとは少々ちがったかたちになってしまいました。
ただ、同時に、全国の高校生達が、
オリジナルなスーパータップをつくっていったのも、
この目でつぶさにみてきました。
現在の私の中では、体育館シューズだろうとローファーだろうと、
タップなフィーリングを感じることができれば、それはタップです。
いろいろご意見はあると思いますが、
これは、私個人の意見ということでご理解ください。
最後に、いま高校生に芽生えた「タップブーム」、
なんとしても次につながっていってほしいです。

タップ&ストンプ 土井 一恭
タップ&ストンプさんの教則ビデオを見せてもらいました!

このDVDではタップ&ストンプの土井一恭さんが指導した高校生達の実演をたくさん見ることができます。「高校生達、すごい練習してるなー」と 思ったのですが、なんと土井さんが高校生に直接指導をするのは1回 だけなのだそうです。「絶対に1回でマスターしてやる!」という意気込み、 集中力、緊張感を持って練習に臨んでもらうからこそ、1回の練習だけで マスターすることが可能になるとのこと。やはり真剣に取り組む姿勢が一番大事なんですね。
DVDには高校文化祭での演技のほか、ペットボトルなどを使ったストンプのやり方、ローファーを履いてのタップダンスを踊るコツなどが収録されています。 (ちなみに模範演技を見せる土井さんの隣りで踊っている美しい女性は、 なんと奥さんなのだそうです!)文化祭でタップ&ストンプをやろうと考えてる高校生は、まずこのDVDを見ましょう。「あっ、こうすればいいんだ!」と必ずひらめくモノがあるはずです。
タップ&ストンプ・ホームページ
http://ww5.enjoy.ne.jp/~tap/index.htm

問い合わせ
メール tap@do5.enjoy.ne.jp
携帯 090-2293-1874
FAX 082-928-9114


G・E-JAPAN白井博之先生からのメッセージ
国内の一流タップダンサーが集い競演するナショナルタップデイというイベントが毎年開催
されていますが、2005年のナショナルタップデイではG・E-JAPANというスタジオが
市立船橋高校の生徒さん達と一緒にタップダンスを披露しました。G・E-JAPANは
タップダンサー白井博之先生が主宰する本格的なエンターテイメントスタジオですが、じつは
上に書いた私がタップを初めて学んだ東京都武蔵野青年の家主催「タップダンスを始めよう!
エンターテイメント入門講座」の講師を勤めていたのも白井先生でした。


「タップダンスを始めよう!エンターテイメント入門講座」の練習風景と発表会

40人のタップダンス初心者を半年間指導し、発表会を大成功させた実績を持つ白井先生に
「文化祭タップの御指導してもらうことは可能ですか?」という問合せをしたところ、下記のような
メッセージをいただきました。

白井先生のメッセージ
タップディでご覧頂いた通り、市立船橋高校のエネルギ―は、プロが忘れ去ってしまった「何か」を
思い起こさせる「純真なる気持ち」に満ちており、お陰様でセンセ―ショナルな好評を頂きました。
武蔵野青年塾の頃から、志の高い、健全なるアマチュアの皆さんにタップを通じて人生謳歌の楽しみを
味わって頂きたいと、強く願っております。幸いにもG・E-JAPANは、現在、東京・静岡・大阪
四国に拠点がありますので、各地に直接指導に伺える可能性が高いです。問い合わせがありましたら、
是非、下記のアドレスまで直接連絡を頂けると嬉しいです。是非、是非、よろしくお願いします。
記録的な暑さが続いておりますので、くれぐれも御自愛下さいませ。
では!

「タップは気合いだぁ~」
byアニマル白井!?

(株)G・E-JAPAN
代表取締役
白井 博之
《東京本社》
tokyo@ge-japan.com
《大阪支社》
osaka@ge-japan.com
G・E-JAPANオフィシャル・サイト
http://www.ge-japan.com


Q&A
このコーナーに寄せられた質問・お問合せにお答えします。

Q.スタンプ(足踏み)パフォーマンスをやろうと思いますが、どうすればいいか分かりません。
まず、みんなで意見を出しあうことです。みんなで考えれば
いろんなアイデアが出るはずです。例えば・・・

・好きな音楽に合わせて足踏みしてみる。
・アカペラで足踏みをしてみる。
・カッコいい振付をしてみる(HIPHOPっぽい感じとか)。
・複雑なリズムに挑戦してみる。
・芝居をしながら足踏みしてみる。
・楽器と合わせてみる。
・ガラクタを叩いたりしてみる。

・・・など、いろいろ楽しいアイデアが出てくると思います。

グループに別れて考えるのもいいかもしれません。たとえば40人いるクラス
だったら、5人ずつ8グループに別れて考えてみる。そしてグループごとに
発表してもらう。実演しながら発表しあったら、盛りあがって面白いと思います。

あとは実際に足踏みをしてみることです。まず、やってみることで、
そこから、いろいろな発想が生まれてくると思います。
Q.タップを教えてくれる先生を紹介してください。
紹介できないことはありませんが、タップダンサーやタップ教室の
ホームページもたくさんありますので、直接、メール等で問いあわせ
してみたほうがいいと思います。

タップ教室案内
http://www.geocities.jp/abtaps/studio.html
タップダンス関連リンク
http://www.geocities.jp/abtaps/link1.html

プロの先生に指導してもらうにはレッスン費用もかかりますので、
クラス全員で充分に検討して、練習スケジュールと練習場所を
確保して、しっかりとした企画が出来てからお話を持っていきましょう。
いったんお願いした後で、やっぱりキャンセルなどということがあると、
先生のスケジュールに影響が出ることになります。まずは綿密な計画を
作りましょう。

このコーナーに関する御意見・質問などはメールにて、こちらまでどうぞ。
こんな風にもできるよみたいなアイデアとか、実際にタップダンスを文化祭で踊った人の体験談
とか、あるいはプロのダンサーの方の御意見とか、またあるいは、文化祭で高校生の
指導をしてみたい!というインストラクターの方などもいらっしゃいましたら、ぜひ御一報
ください。


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